14.7人に1人

平成29年度宮崎市市民活動支援補助金を受けることになりました。成長期支援補助金(従来型)で、7月から来年3月までの事業です。

一昨年より、貧困世帯への学習支援を行ってきましたが、そのなかで増えてきたのが大人や若者の引きこもりの相談です。職に就けず、あるいは生活保護を受けながら、家に閉じこもっている人々です。

平成22年度国勢調査

平成22年度国勢調査より

これによると、宮崎市では15~64歳の14.7人に1人が未就労者です。しかもそれは増加傾向にあります。未就労者や引きこもりの若者を減らすことは、宮崎市にとっても大きな課題です。

私たちの強味は教育とICTスキルです。現在、それを活かしながらICT資格取得などの学習支援をしています。

学習支援の様子学習支援の様子

年齢や期間を制限せず、本人の体調や時間に合わせて、しかも安価でICT資格取得などを支援する機関は他にはありません。この事業を通して、引きこもりや貧困世帯の未就労者のICTスキルアップを図り、宮崎市の未来に優秀なICT人材を輩出したいと考えています。

未来みやざき ICTスキルアップ講座 ポスター
未来みやざき ICTスキルアップ講座 ポスター (PDF)

(企画書より)
①事業名「未来みやざきICTスキルアップ事業」

②事業計画に至る背景
平成22年度国勢調査では、宮崎市の15~64歳の未就労者(その他、不詳)が、17,319人となっており、14.7人に1人の割合になる。その中には高校中退者やひきこもり若者が多く含まれている(高校中退者数は宮崎県全体で、平成25年度567名、平成26年度581名)。それらの実態調査や自立就労支援は少なく、未就労者が増加傾向にある。

③事業を行う必要性
ひきこもり者はインターネットなどを多く利用し、ICTに興味を持っている。そのICTに関わる資格取得やスキルアップを図ることで、自信がつき、自己肯定感が増し、他者とのコミュニケーションが取れるようになれば、就労に結びつきやすい。

④市民や地域の公益性
困難を抱える若者が就労への意欲を高めることができれば、同様の若者たちをさらに支援し、労働力の人材不足解消に貢献することができる。さらにICTを活かした様々な地域活性化にもつながる。

⑤具体的な実施内容
1, ICT資格取得、就労のためのeラーニング受講や学習支援(週2回、教室は宮崎県福祉総合センター本館および南駅前ふれあいサロンの2ヶ所)
2, 地元IT企業(団体会員)への視察および2週間のインターンシップ。
3, 学習者および支援者、関係者によるワークショップ(年2回)。
4, 教育ICTボランティア活動(Webサイト作成、データ入力整理など)。
5, 引きこもり者の就労支援に関わる調査研究と関係団体とのネットワークづくり。

⑥対象者
15歳以上の高校中退者やひきこもり若者、発達障がい者、生活保護受給者、生活困窮世帯の成員などの社会的弱者 計6~8名

⑦期待される効果
1, 15歳以上のひきこもりなど社会的弱者に光が当てられる。
2, ICTスキルを持つことで自己肯定感が生まれ自信につながる。
3, 大人のひきこもりへの理解を広めることができる。
4, 関係機関と連携することで様々な対策が取れる。

(以下は質疑応答から)
1, 講師は退職した教職員、民間会社のIT技術者、大学生などが務めます。

2, ITパスポートやワード、エクセルのMOS資格、数学検定などの受験料は自己負担となります。

3, 発達障がい者向けの特別なカリキュラムはありませんが、ICTやゲーム、数学などに興味を持つものがおり、対応次第でこれまで熱心に取り組む姿を見てきました。

4, これまでの経験から貧困世帯の線引きは難しい。レッテル貼にもなり、当事者は集まらない。主に連携組織からの相談や紹介(判断)で受け入れる予定です。

5,受け入れ人数が少ないですが、教室の広さや講師の時間確保、当事者の目標や動機付け、これまでの経験などから、確実に成果を上げるために人数制限しました。

参考資料
図表でみる社会2016 若者へ焦点をあてた分析 国際比較を通じてみた日本の姿(OECD) (PDF)