気になるデータ

生活困窮世帯への学習支援を始めて気になることがあります。

それは相談に来られる当事者に、ひきこもりや発達障害傾向の児童生徒が多いという実態です。

子どもの貧困問題は様々な要素が絡み合っていますが、その結果として、ひきこもりや発達障害にも表れているのではないかと思われます。

そこで各種データを調べてみました。

画像は「子供の未来応援プロジェクト」(内閣府)より

これらのデータを見て感じるのは、児童生徒数が減少傾向(少子化)にあるにもかかわらず、不登校や引きこもり、特別支援学校の在学者数、児童養護施設への入所者数が増えているという現状です。

また、児童虐待やネグレクトなど児童相談所への相談件数も増え続けています。さらに、引きこもりが児童生徒に限らず、30代、40代まで広がりつつあるという実態も浮かび上がってきます。

身体、精神に異常をきたす子ども・若者が増え、集団生活に馴染めなくなった子どもたちが社会の外へと締め出されています。

貧困問題が経済格差によることは言うまでもありませんが、自己責任を言ったところでこの問題は解決しません。一人ひとりが分断され、孤立化を深めているといった印象です。まさに「キレた!」状態です。

このままでいくと、社会保障費の国家予算のなかで占める割合はうなぎ上りで上がっていきます。

当然、その負担は納税者が賄うことになります。貧困問題が他人事ではなくなりつつあることは、これらのデータが示しています。

その対策に、かつてあった地域や家族のつながりが求められているのは皮肉です。束縛や拘束を解放した結果が、孤立化を深めて「助けて!」と言えない社会になってきているわけです。

私たちのこれまでの価値観(功利主義や効率化、個人主義など)が改めて問われているのでしょう。

絆やつながりといった言葉では、もはや回復できない現実を目の当たりにしている気がします。できるところから、ゆるやかに、のんびりできる共生社会を築いていくしかありませんね。