反転授業

IMG_59556月16日(日)に本法人の平成25年度通常総会並びに研究協議会が無事終了しました。

研究協議では「反転授業」を取り上げました。始めに三浦裕二氏(㈱教育情報サービス)より「反転授業」の仕組みや実態について報告をしてもらいました。

ThinkBoardを駆使しながら、とても示唆に富む内容や資料でした。

「反転授業(Flipped Classroom)」とは、アメリカのKahn Academyから始まった授業の革命と言われるものです。それは次のような特長を持っています。

一斉授業、知識伝達、自宅での復習というやり方から、自宅で予習、問いの発見、討議中心の授業へと転換するものです。つまりインプットからアウトプットへと学習の重心が移っていくわけです。

事前に基礎的知識は、動画サイトやEラーニングで学んでおきます。授業ではそれをもとに不明な点や応用問題を全員で討議し、理解を深め、新たな問いを育くんでいくというものです。

当然、教師の役割も教える立場から、議論を整理し、引き出す者へと変わっていきます。

Eラーニングが基本になりますが、PCだけでなく、スマホやタブレットも使えますので、場所や時間に縛られません。しかも、繰り返しや倍速、飛ばしでの視聴が可能になり、個別学習になりますので、学習効果が上がるというものです。

課題は、そのEラーニングのネット環境とコンテンツ作成、教師のファシリテーターとしてのスキルです。

IMG_5956協議のなかでは、Eラーニングでのモチベーションが問題になりました。

これまでのEラーニングは、労多くして効果なしと言われてきました。つまり、退屈で、長続きがしないという問題です。

これをどうするかで様々な意見が出されました。

時間は短く(3~5分)、クイズ形式、チャットでゲーム競争、「いいね」ボタンの採用、得意な学生によるコンテンツ作成、スマホでの授業の動画撮影、デジカメで優れたノートを保存、それらを生徒間で共有、自宅で親子学習、グーグルサイトでのテストや質疑応答などなどです。

もちろん、生徒・学生の主体性、教師の多忙化と発想の転換、バーチャルとリアルの功罪、学ぶ喜びなども話題になりました。

ただ、Eラーニングは、不登校や引きこもり、行動範囲の狭い障がい者対策としても見直されています。それらのアイデアは何かヒントになりそうです。

魅力あるデジタルコンテンツとファシリテーションをいかに準備できるか、そこにかかっているようです。ファシリテーションについては、昨年の「リアル熟議」で体験しましたが、その講座も必要となってくるでしょう。

今回の研究協議を、宮崎での「反転授業」元年にしたいですね。これからも研究を積み重ねていきます。(希望者には当日の資料を配布します。)